母のお弁当 | 旅葬・葬儀・家族葬の巡輪偲(じゅんりんさい)

プレスリリース

母のお弁当

私にとって父は、物知りで、器用で、絵もスキーも上手で、なんでも出来るスーパーマンでした。

そんな父が膵臓を患っていることがわかったのは2019年12月のこと。
それから1年半の闘病の後、父は帰らぬひととなりました。

長く自営業を続け多忙だった父ですが、たまの休日には、母や私、私の子どもたちをドライブに連れて行ってくれました。

特に、支笏湖、恵庭を回るコースを気に入っていて、病気が良くなったらまた出かけようと約束していましたが、それを叶えることはできませんでした。

元気だったころに出かけた想い出の地を、最期に一緒に巡りたい。
私たち家族はそう思い、『旅葬』を選ぶことにしました。

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8:00 自宅出発
 ドライブの時いつもお弁当を作っていた母が、この日もお弁当を用意してくれました。

10:00 支笏湖到着
 以前一緒に乗った水中遊覧船に乗船。水が濁っていてよく見えませんでしたが、前に乗った時は水中がよく見えて、父が珍しく興奮していたことが思い出されました。

12:30 恵庭渓谷到着・お弁当タイム
 母が広げたお弁当には、おかかおにぎり、天ぷら、ポテトサラダ、フルーツなど、父の好物がたくさん詰まっていました。
「お父さん、お母さんがお弁当作ってくれたよ」「お母さんの料理が大好きで、外食しても文句ばっかり言ってたよね」「今年の父の日には、少しだけだったけど大好きな鰻が食べれてよかったね」と食べ物の想い出を話しながら、みんなでお弁当を食べました。

14:00 えこりん村到着
 数年前、猛暑の中に訪れたえこりん村。「あの日は暑かった」「お父さんもうんざりしてた」とみんなで言いながら、園内を散策しました。
写真を撮影することが大好きだった父は、いつも孫たちの写真を撮っていました。
それを思い出したのか娘が「おじいちゃんが一緒だったら、絶対に羊の写真を撮ったね」と言っていました。

17:00 帰宅
 今回巡ったコースのことだけでなく、私が幼いころに出かけた想い出もよみがえり、元気だったころの父を懐かしく感じる時間を過ごすことができました。