1日葬
80代
故人のと続柄
故人の性別
旅の場所
最期の想い出作り
母
男性
葬儀形式
道央
私たちの食卓はいつも家族の笑い声でいっぱいでした。
でも、じいちゃんが亡くなったと聞いたその瞬間、全てが色褪せました。
あの時、集まった家族の顔は一様に暗く、重たい空気が部屋を支配していました。
ずっと前から体調が悪かったじいちゃん、最後は静かに旅立ったんです。
じいちゃんの私物を整理していたとき、便箋の束を見つけたんです。
そこには、日常の些細なことが書かれていましたが、それらの終わりにはいつも私たち孫への愛が綴られていました。
彼の寂しさを感じさせる言葉たち。
何度読んでも、その時にもっとそばにいてあげられなかったことが心に突き刺さるんです。
初めは疑問に思いました。
「旅葬?バスで観光?」
しかし、打合せを進めるうちに、じいちゃんが生前に行きたがった場所を巡るこの方法に意味があることがわかりました。
じいちゃんの生きた証を家族で共有する、それが旅葬なんです。
普通の葬式とは違い、思い出深い場所を訪れることで、故人との新たな思い出が生まれるのです。
旅葬の最終地点は、じいちゃんが生前に一番行きたがった「四季彩の丘」でした。
ここは、ばあちゃんにプロポーズした場所。
その時の話を、じいちゃんはよく私にしてくれました。
じいちゃんはここでばあちゃんに「恵まれた生活」を約束したんですね。
私たちも、ここで新たに家族の絆を深め、未来に向けて約束を新たにしました。