2日葬
60代
宗教有
父
男性
中学校で吹奏楽の顧問をしていた父。
土日祝日関係なく毎日仕事に行く父を見て育った。
35年の教師生活で8校に赴任した。
定年まであと3年、そんな時に病気が見つかった。
そして、見つかってからたったの3か月で僕たち家族を置いて空へ旅立った。
父に怒られた事がない。
穏やかで優しくて、いつもニコニコしていた父。
いつもジャンル問わず、色んな音楽を聴いていた。
口数の少ない父が能弁に話すのはいつも音楽のこと。
『音楽には夢がある、そして力があるんだ。人を幸せにする力だよ』
家で学校の話をしない父。
なのに僕はなぜか父と同じ教師になった。
父でありながらも教師の先輩である父の軌跡をたどりたい。
そんな思いで父の赴任校全てを回ることにした。
父の偉大さを感じた1日だった。
父のためにたくさんの教え子さん、親御さん、同僚の先生が学校に集まった。
こんなに慕われていたなんて思いもしなかった。
こんなに愛されていたなんて知らなかった。
集まった皆様から僕の知らない父を教えてもらった。
家族の知らない父は、本当にかっこよかった。